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2009-07-10 (Fri)
人には、それぞれの理由がある。



高層マンションの一室で起こった、一家殺害事件。
実に多くの人物が関わったこの事件には、沢山の「理由」が隠されていた…。



この作中には、様々な「家族」が出てきます。
家族構成、抱える事情、家族間の関係性…当然ながらそれぞれ違っていて、その「違い」が事件を構成する1ピースになっていたりもします。

「家族の繋がり」「血の繋がり」…
血の繋がらない男女が、それぞれと血の繋がった子どもを授かり、その子どもが成長して血の繋がらない誰かと結ばれ子を授かる…
これが、「家族」の核となる部分。「己の遺伝子を残す」という、生き物としての行動ですよね。

ただ、人間にはそこに、様々な感情と事情が絡んできます。
愛している・愛されている、憎んでいる・憎まれている、守る・守られる―――。

どんな家族でも、いつも幸せなわけじゃ無い。
それぞれが、それぞれの事情や思惑を抱え、その全てを分かりあえるわけでも無い。
けれど、何があっても「自分を受け入れてくれる人」「最後には戻ってこれる場所」。
それが、「家族」たるものの極一般的な定義。

けれど、その定義が機能していなければ…

それも、「悲劇」を生み出す「理由」。


今から10年前に発刊された作品なので、時代背景が若干古臭く感じたりもしましたが、「家族」というもののあり方に関する変化は、この作品に描かれた通りに起きているように思います。


人は決して一人では生きていけない、けれど、そのことを知らない―理解しようともしない―人間の悲劇。
凄惨な殺人事件が起きる度、犯人の生い立ちがマスコミから発信されますが、いくら恵まれない環境で育ってきたとしても、それが他人を傷つけたことへの免罪符にはなりません。絶対に。
それでも、やっぱり考えてしまうのです。
「もし、普通に愛されて、普通に愛して生きてきていたならば…」と。

人間が人間たるために必要なもの。
「絶対的な信頼」。
それを育むのは、まぎれもなく「家族」。
親の立場からも、子の立場からも、考えさせられる作品でした。


(2008.09.15 記)


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