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2009-06-18 (Thu)
『邪悪な力を持つ霧の城は角の生えた子を生贄(ニエ)として求めていた。イコはしきたりに従い、霧の城へ。そこで檻に囚われた少女を発見したイコは、彼女を助け出すがその手を握ると何故か彼の頭の中に様々な幻像が……。不思議な力を持つ少女・ヨルダは何者なのか?そして囚われた理由とは?運命に抗い、謎が渦巻く城からヨルダとともに脱出するため、イコは城主と対決する!』

本編の内容と比べて、裏表紙に書かれたあらすじが安っぽいのは何故…(笑)

PS2用ゲームソフト『ICO』のノベライズ本。
先月、文庫化されて発売されました。
ノベルスなのに値段が1270円って!(笑)
読みたいと思っていた作品なので買っちゃっいましたけど(図書館では見つからないしぃ)。


ゲームをプレイしたことは無いので、何の予備知識も無しに読みました。

全編を通して、静かな悲しさが漂っているという感想です。

トクサ村の自然に囲まれた情景の美しさと、霧の城の芸術的な美しさ。
片方には陽の暖かさを感じ、片方には夜の冷たさを感じる、対照的な印象を持つにも関わらず。
どちらの場所にも、常に淡い悲しさが漂って、それを感じ取ることができるのです。

それは、生贄にされたイコの悲しみでもあり、愛しいイコを生贄として差し出さなければならない村長やその妻オネの悲しみでもあり、過去の過ちに囚われているヨルダの悲しみでもあり…。


読み終わった後も、『ほっこりと切ない』というかんじで、ふんわりと淡く悲しみの余韻が続くような…。



Amazon等でレビューを読んでいると、「ゲームのICOとは別物(あくまでこれは宮部さんなりの解釈)」という意見が多かったですね。
確かに、この小説は冒険ものの王道を突っ走っていますが、ゲームのICOは明確な理由もわからないまま、とにかくヨルダの手を引いて城を脱出することだけが目的なんだそうで…
そのシンプルさに比べれば、この小説は饒舌すぎるのかも知れません。
ただ、もう一つ確かなのは、宮部さんは本当にこの『ICO』というゲームが好きなんだということ。
それは、ゲーム版を知らない私にも明確に伝わってくるほどに。
あるレビューには「宮部みゆきという有名作家が、ICOという題材を用いて書いた、壮大な同人小説」とありましたがまさにそうなのでしょう。
この作品は、『作家・宮部みゆき』の作品というより『ゲームの一ファン』としての作品なのだと思います。

なので、他の宮部さんの作品と少しばかりテイストが違います。
それが、『全編通して物悲しい』という印象に繋がっているように思うのです。
(ただし、基本的にはやっぱり目一杯宮部さんの作品ですけど。
作者を伏せて読まされても、宮部さんのファンならすぐ彼女の作品だと気付くでしょうね。)


爆発的にヒットしたわけでは無いのに、熱心なファンが多いと言われるゲームソフト『ICO』。
現在はもう廃盤になっていて、なかなか手に入れにくいとの事ですが、機会があったらプレイしてみたいなぁ、と思いました。




…PS2、持って無いんですけどね…。
「機械があったら」の間違いですね(笑)


(2008.07.11 記)

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