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2009-12-20 (Sun)
「私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。 」(「BOOK」データベースより)


作中ではっきり言及されてはいませんが、主人公の「私(先輩)」と「乙女」が通う大学って明らかに京都大学ですよね(笑)。
作者の森見登美彦氏自身が京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了だそうで。だから「六地蔵」なんてローカルな地名が出てくるんですねー。

独特の文体で綴られる物語。この文体になじめるかなじめないかがまず最初の分かれ道。
次にこれまた独特の世界観になじめるかなじめないかが二つ目の分かれ道。
巷の評判は高いですが、何気に読む人を選ぶ作品だと思います。
私の場合、第一章・第二章あたりで何度か挫折しかけました(苦笑)。
文体もクセが強いんですが、それ以上に世界観に潰されそうで…(なんか疲れてたせいもあるんですけど)
でも文体・世界観ともに慣れてきた第三章・第四章(終章)はするする読めてしまいました。(というか、後半2章と比べて前半2章―特に第一章―が濃すぎるんです。笑)

作品全体の印象は「アニメのセル画みたい」。
一番ベースとなる舞台背景は実写の京都。その上に建築物や乗り物のリアルな絵を重ねて、一番上にアニメ絵の登場人物を重ねる。そんな感じ。
レトロで埃っぽい空気感と、キンキラキンで原色ばりばりの派手さが混じり合っているなんとも変わった雰囲気が漂います。
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」に登場した銭湯「油屋」をイメージしていただければわかりやすいかと…。そこに青春時代特有の馬鹿馬鹿しいエネルギーを付加すれば完璧です(笑)。


京都で大学生時代を過ごした方ならドンピシャに楽しめると思います。
特に第三章なんて、他県の方から見れば「ありえね~!!」って感じの団体が多々登場しますが、これは「京大的リアル」です(笑)。
京都って学生の街なので基本的に他府県に比べて大学生の悪ノリレベルが高い気がするんですが(他府県の大学を知らないんで何とも言えませんけど…)、特に京大って「頭のいい変人」がいっぱいいるっていうイメージなんですよねー(スミマセン;)。

かくいう私もほんの1年前までれっきとした京都の大学生でしたから、ありとあらゆる大学時代の思い出が蘇ってきて、ちょっと切なくなりました。
講義をサボって鴨川沿いをブラブラ歩いたことだとか、講義をサボって図書館で本を読みふけったことだとか、講義をサボって四条界隈に繰り出したことだとか……あれ、なんですかその何か言いたげな顔は。
とにかく、そういう大学生特有のなんか自由でのんびりした記憶がわーっと脳内再生されました。


すごくファンタジックで、でもちょこちょこリアルな物語。
好き嫌いは分かれそうですが、「可愛いお話が好き!」な方なら一度目を通してみるのも良いと思います。


(2009.02.08 記)

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