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2009-12-07 (Mon)
「物語の舞台は、アナザー・ヒル。そこは英国による植民地支配後、日本の文化が移入した歴史をもつ極東の島国V.ファーの聖地で、死者たちが現世に実体ある存在として還ってくるというのだ。そして、死者たちがやって来る「ヒガン」という祝祭の期間、V.ファーの国民は、彼らを『お客さん』として温かく迎えることが風習となっている。
英国と日本の文化や風習が奇妙に混ざり合うV.ファーの国民は、みな「推理好き」で、「ゴシップ好き」。そこに今年は、「切り裂きジャック」ならぬ「血塗れジャック」という連続猟奇殺人事件が世間を賑わせ、誰もが犯人探しに躍起になっていた。
けれども「ヒガン」になれば、犯人が分かる。なぜなら、『お客さん』は嘘をつかない存在なのである。
物語の主人公ジュンイチロウは、東京大学で文化人類学を専攻する大学院生。フィールドワークのため親戚を頼ってアナザー・ヒルにやってきたのだが、そこで彼が出会うのは、不可思議な風習の数々、恐ろしい儀式や天変地異、さらには新たな殺人事件だった――。」


1600ページにわたる超大作。
単行本で上下巻にわかれていますが、2冊重ねると辞書のような厚みです(笑)

まず、本の装丁がとても凝っていて綺麗です。
上下巻並べると表紙が一枚の絵になるのですが、表が昼のアナザー・ヒル、裏が夜のアナザー・ヒルになり、それに気付いた時には思わずため息がこぼれました。
内表紙、内裏表紙にもアナザー・ヒルの絵が描かれていて、読み終わった後「これはあのシーンだな。」なんて思いながら眺めるのも楽しいです。

基本はファンタジーとミステリー。そこに薄気味悪いホラーの空気感がたまに追加されながら物語は進んでいきます。
長編作品ですが途中でダレてしまうこともなく、最後まで一気に読めました。

登場人物が皆魅力的です。
主人公・ジュンイチロウは読者と同化させるため大きな特徴も無い描かれかたをしていますが(いろんな意味で空気な主人公です。笑)、ジュンイチロウの親戚の女性陣(私はハナという大学生の女の子がお気に入り)や、アナザー・ヒル周辺に遊牧する先住民のラインマン(この人が格好いいんだ!!笑)、黒婦人と呼ばれる女性などなど…
最初にある登場人物紹介のページに記載されている名前が多いので覚えられるか心配したんですが、一人ひとり上手にキャラ付けされているので混乱することなくすぐに名前と人物を覚えられました。

物語の進め方は非常に巧みで凄く面白いんですが、最後のオチがなんか…
ページが足りなかったのか?と勘ぐってしまうような、消化不良な終わり方でちょっと不満。
まぁこの作品だけじゃなく、恩田さんの作品ってオチが弱いものが多いですよね。謎めいた終わり方や読者の想像にまかせるような終わり方をする作品でも上手ければそれでかまわないんですけど、恩田さんの場合そのタイプを作風とするにはちょっと力不足な気がします。
(上手い作家さんならそれでも満足できますから。恩田さんの作品ではそういう終わり方をするとなんかモヤっとします。)
9割までは凄く面白かったから、余計残念に感じます。


それでもこの作品の世界観は凄く好きです。
終わり方がアレなことですし(笑)、続編が読みたいです。恩田さん、書いてくれないかなー。


(2009.01.30 記)

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