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2009-05-30 (Sat)
今月に発売されたばかりの、宮部みゆきさんの新作です。


宮部さんの代表作の一つ、『模倣犯』。その中の登場人物であった「前畑滋子」を主人公に描かれる物語。

彼女は、9年前に起こった事件のショックから、未だ立ち直れないでいる。
あの事件の、あの事件を起こした人間の深く暗すぎる闇が、彼女の心を蝕んでしまっていた。
そんな彼女の元に舞い込んできた奇妙な依頼…。

ここから物語が始まっていきます。


人間は、素晴らしく美しい物語を紡ぎ出すこともあれば、恐ろしく醜い所行を成すこともあります。
正常・異常、正当・不当、常識・非常識、善・悪…これらに明確な基準はありません。個人に、時代に、場所に、感情に…その時々により、基準はズレていくでしょう。

それと同じくして、人間が美しい物語を紡ぐのか、醜い所行を成すのかは、その人間が置かれた状況により変化します。


全ての人間の中に光と闇の種があり、そのどちらがより多くの養分を得て、より強く大きく成長していくのかは、それこそ多種多様な要因が複雑に絡み合って決定されていきます。
外的要因もあれば、内的要因もあるでしょう。

しかし、闇の種が育っていくとき、それが花を咲かせてしまったとき、私たちはそれを外的要因のせいだと言い張ってしまうのです。


自分は、自分はそんなつもりじゃ無かったのに。あの人が、ああだから。この環境がこんなだから。だから自分は…


人間は、周りの環境から、人間関係から、完全に独立することは出来ません。
闇の種を育ててしまう外的要因はそかしこに転がっていて、それを踏まずに通り過ぎることは不可能です。


けれど、自分を支配できるのは自分だけなのです。

どんなに苦しくても、痛くても、恐ろしくても、闇の種が育たないように養分を断つことが出来るのは他の誰でも無い、自分だけ。

けれど私たちにはそれが出来ない。
闇の種は養分を吸い上げ、人間はそれを自分以外のもののせいにしたがる。
その弱さから抜け出すことが出来ないのです。

そこには甘い、偽の楽園があるから。


真の楽園はどこにあるのだろうか?
私たち人間はそこに辿りつくことが出来るのだろうか?



願わくば、光の種がより大きく育つように。
光の花こそが、真の楽園への導(しるべ)なのだから。


(2007.08.20 記)


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