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2009-09-01 (Tue)
『バッテリー』シリーズでおなじみのあさのあつこさん。
てっきりあの手の少年少女向け作家なのかと思っていたら、こんなに美しい作品も手掛けていらっしゃったのですね。


稲穂が金色に輝き、柿の実が焔のように色づいた秋の日、柔らかな赤い日の光の下で一人の老女が穏やかにその生涯を閉じようとしていました。
九十二年の歳月の中で彼女が培ってきたものは、まさに秋の実りのごとく豊かなものでした。

物語は老女・松恵の臨終の時から始まります。
彼女の子どもたち、孫、曾孫、そして松恵の祭壇に飾られる花を手配した花屋の青年。それぞれが松恵の死に際して、彼女との思い出と、「現在(いま)」を交互にさまよいながら物語は進みます。

特別事件が起こるでもない、大きな謎が隠されているでもない、穏やかな物語ですが、登場人物が皆生き生きと描かれており景観の描写も丁寧で美しいです。


人々の記憶の中で語られる松恵という人物は非常に賢く穏やかで、彼女のように歳を重ねていくことが出来たら、などと思います。
そして何より、いつか私の人生が終わる時、彼女のような終焉を迎えることが出来たなら…


どこにでもありふれた日常。それがどれほどに素晴らしくかけがえのない物であるか。
そんなことを教えてくれる作品でした。

(2009.01.06 記)

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